自費出版:グラフィック系
自費出版:文章系

文章系

発売してからもうすぐ1年。出版に関する様々な思い出。

私たちの今

2021年12月。高知では新規コロナ感染者数ゼロが一ヶ月も続いている。私と慎太は月に2~3回ほどの講演をこの秋よりこなすようになった。講演後に慎太が言うお決まりのセリフは「志乃さん今日も雨でしたね」だ。

2020年12月25日。「ギザギザハートのアスペルガー」を出版してから、約一ヶ月での重版出来。新聞社やNHKの取材が相次いだ。不思議なことに、講演や取材のロケはことごとく雨だった。

 

 

狂人、慎太

思えば慎太は4年前、2017年春。鍵のかかる精神科の部屋で一人、髪の毛をむしくり、発狂していたのだ。母親のネグレクト、兄からの壮絶な暴力という虐待の館を抜け出し、祖父母の家に逃げ込んだのは小学校五年生の頃。祖父母が死去した高校生から慎太は一人でアルバイトをしながら夜学に通う。守ってくれる人などいなかった。ついに慎太は精神を病み、21歳の頃には「保護室」という暗い檻の中にいたのだ。そこから、一応の許可が出て慎太がシャバに出る日、それが私と慎太の出会いの日だった。精神科に勤めて間もなかった私は、慎太の異様な風貌に極力関わらないでおこうとした。今思えば、医療人として失格だと思うが、一薬剤師の私にはできることなどなにもない、当時の慎太は私にそう思わせた。何物も受け付けない、全世界を敵に回したような目で地面を睨み、本当に不気味な姿だったのだ。

 

 

人間、慎太

それから一年後、その病院のデイケアで様変わりした、慎太に再会する。私はびっくりして慎太に色んな質問をした。なぜだか慎太は私に好感を示し、不躾な質問に答えてくれた。

ある日慎太が、病院での自分に対する誤解に怒りを爆発させ「自分の事をわかってほしい」と生い立ちに関する手記を書いた。壮絶な半生だった。そして、手記に対する周りの評価は悪かった。「やっぱり、病んでるな」というものだった。

私は慎太の文章が面白い、才能があると思ったのでそのことを慎太に伝えた。すると、調子にのった慎太は次々と第二章、第三章と書き起こしたのだ。凄惨な半生がこれでもかと綴られた文章に、私は「最高やね」と言い続けた。気がつけば手記は第八章まで及んだ。この手記が、のちに私たちの運命を変えることになるとは、この時には知る由もなかった。

 

 

転機

仕事を辞めて3ヶ月ほどぶらぶらしていた頃、とある人に「あなたが精神科で経験した、発達障害の青年との関わりはとても面白い。そういった話を発達障害の親子の会でしたらいいと思う」 と言われ、私はすっかりその気になってしまったのだ。すぐに慎太に連絡を取りシンポジウムのための準備を始めた。2020年7月の事だった。ところが、時はコロナ第2波の最中にあり、シンポジウムの話は一向に進まなかった。業を煮やした私は、いつもの適当な閃きで慎太を仄めかしたのだ。「いつになったら来るか分からないシンポジウムを待つより以前に慎太が書いた手記を本にしよう」と提案した。虐待されたアスペルガー当事者が書いた手記を多くの方に読んでもらいたいと思った。ここで慎太は「志乃さん、何ふざけたこと言ってるんですか!」とは言わなかった。「いいですね」と、すんなり答えた。

私はシンポジウムを提案して下さった方に文句がてら「シンポジウムのお話が中々来ないので、以前に青年が書き溜めていた手記を出版します」と伝えた。すると「それなら、いい出版社知っちゅうで」と紹介されたのが、リーブル出版社だった。

 

出版への道~著者は臼井志乃です~

早速、商談に現れたのはデザイナーの島村氏だった。当日は手記をお渡しし、書籍にしたいという思いを伝えただけだったが、この出会いの印象が本のデザインや帯などに生かされたようだ。彼は装丁の打ち合わせの度に「僕が感じる臼井さんのイメージ」という言葉をよく使っていた。

自費出版という事でオリジナリティの強い作品を作れる楽しさ、感動を彼は与えてくれた。

数日後、出版社を訪れると坂本社長と島村氏が原稿を持って待ち受けていた。社長はドライアイなのか、感慨なのか、目頭を熱くしているように見え「これは当事者の方が書いた非常に貴重な手記です。同じ障害の子供を持つ親としても是非多くの方に読んで欲しいと思うけれど、、、これでは売れません‼️」と言い放った。

続けて島村氏は「壮絶で、僕は辛くて途中で読む事を躊躇してしまいました。最後まで読んで頂ければ後味は良いのですが、途中でやめてしまう人もいるかもしれません」

私自身も太宰治の人間失格は途中で辛くなって読むのをやめてしまいました。確かにプロから見るとそうなのかもしれない。だが、ここで思いがけない事が起こった。暫しの沈黙の後、社長が「そこで臼井さん!解説を書いて下さい」と急に私に振ってきたのだ。後に聞いたところによると私に解説を書くように言ったのは「多分書けるやろ」という社長の勘なのだそうだ。今思えば、私も青年(中原慎太)の手記を出版しようと出向いているのに突然そのような事を言われ何を思ったのだろう。「はい!」と躊躇なく返事をしたのだ。まるで小学生のように元気よく。

すかさず社長は「著者は臼井志乃です」と宣言し、その夜から私は執筆に取り掛かった。

各章ごとに解説と回想を加筆し、一週間後にまたリーブル出版社を訪れた。今度も社長と島村氏が二人で出迎えてくれ驚いたような顔をしていたが、その場で原稿に目を通してくれた。そして社長が神妙な面持ちをしたので私は「やっぱり、私如きが書いたってダメなんや」と思い始めたところ「えい!えいです!」と力強い声が返ってきた。まるで朝ドラのように。島村氏も「臼井さんの解説が入る事でポップなイメージになりました。読みやすいです。」と言ってくれた。そして二人の関係性がわかるよう、まえがきを書くアドバイスなどを受け、作品が仕上がっていった。

私が退職する少し前に追加されていた第九章に加え、本を出版すると決めてから書かれた第十章とあとがきを入れて162頁。

 

タイトルが降りてきた日

程なくして、タイトルを決めましょうという事になり、出版社に出向くと社長からいくつかの候補があげられていた。「その辛苦のはてに」「生きづらさを抱えて」などとどれもこれもイマイチだと思って見ていたら、最後に「理解してくれとは言わないが」とあった。「これって、“♪ちっちゃな頃から悪ガキで〜♪”」と口ずさむと続けて社長が「15で悪魔と呼ばれたよ」とのってきた。そこから2人でハモり始め『ギザギザハートの!アスペルガ〜!」と歌い終わった時は歯車がカチッと合ったような瞬間だったと思う。鳥肌が立つような感覚を今でも覚えている。「決まった?」「決まったね」口々に言いました。同席していた島村氏も興奮していた。

 

デハラユキノリ氏との出会い

そうして表紙のデザインを考案する日が来た。私はデハラユキノリさんにフィギュアを作ってもらって、表紙に使いたいと提案した。何故なら、デハラユキノリの作品は不気味なキャラクターがとても魅力的でオシャレに見えるからだ。精神科の患者さんは、不気味であるという偏見が今なお存在する。この令和の時代においても、どんなに啓発しても“ものの見方”、偏見は中々取り払う事ができない。デハラユキノリなら、“ものの見方”を一瞬で変えてくれるような気がした。もちろん、有名なフィギュア作家である氏が簡単に引き受けてくれようなどとは出版社も私も思っていなかった。それでも、出版社は私の意思を尊重し氏に原稿を送ってくれた。それと並行して出版費用の話合いもあり見積もりが出された。「高知の自費出版なら売れて300部や」と言う人から、「絶対に売れん」などと言う人もいた。そんな中、社長は「自費出版は売れずに配って回るというイメージがあるかもしれませんがそんな事はありません!」と励ましてくれた。売る戦略も持っていたのだろう。私は1000部発行する事に決めた。100万円近い金額がかかる。

「何にお金を使うかって、人それぞれでしょう。車のオプションに100万かける人もいるし、それで幸せならそれでいいと思う。私は、車はオンボロでも乗れたらいいけど、出版にお金をかけたいがです」と言い、そのまま金策に走ったのだ。

 

「マイクラウドファンディングをやります」

と宣言して最初に相談しに行った方が一部出資を快諾してくれた。私はとりあえず安堵して帰ろうと思った矢先に電話が鳴った。坂本社長からだ。

「デハラユキノリさんが引き受けてくれた!会いたいっていいゆうけど会える?」

「いつですか?」

「明日!」

このような感じで何かに動かされるように、次々と出版まで進んでいったのだ。

 

場末のスナックで

社長と私、デハラユキノリ氏で打ち合わせを行った。氏は「一気に読みました」「まるでアクション映画を見ているようだった」と言ってくれた。私はデハラユキノリに思い切り暴れて欲しいと依頼した。出来上がった試作品は洋服が破れていて、出版社サイドは「当事者に対する偏見を招く」との懸念から難色を示していた。私は社長に「炎上したら、炎上商法や。多くの人に知ってもらえます。そこから釈明もできます。私は何を言われても構いません。デハラユキノリに思い切り暴れて欲しいのです」と言い放った。これらのやり取りはデハラ氏を含めて3人で場末のスナックで行われた。カラオケは社長がギザギザハートの子守唄を熱唱していた。普段は和田アキ子なのだそうだが…

7月末にリーブル出版社に出会い、季節は秋になっていた。全てが初めての体験でありワクワクするような時間を過ごしていたので、その時は随分と時間が経った気がしてしたが、3ヶ月も経っていない。何だか人生をちょっと得したような気がしている。

 

装丁完成へのステップ

フィギュアが完成してから、装丁に関する打ち合わせが行われた。まずは表紙と本体の紙質。いくつものサンプルが構えられていた。デザイナーの島村氏は表紙にはフランスの香りのするような材質を提案してくれ、私は一目でそれが気に入った。モネもゴーギャンもゴッホもシャガールも、こんな紙に絵を描いたのではないかというような目が細かくて美しいアイボリーで少しザラザラしたテクスチャーだった。リーブル出版社での打ち合わせは、気がつくといつも一時間が過ぎている、といった感じだ。打ち合わせまでに吟味されたであろう提案の数々に魅了され、あっと今に時間が過ぎてしまう。

表紙の紙質が決定し、表紙のイメージはレコード盤のジャケットで、という要望を出した。これは、タイトルを私が意識したのだが、タイトルの参考になった歌手グループからクレームが出るのではないかとちょっと怯えていた。発刊後一年たっても何も言ってこないので大丈夫だったのか、久留米出身のその歌手グループがおおらかだったかどちらかだと思う。

 

表紙カバーの完成

表紙カバーのフィギュアの背景をどうするかという打ち合わせが行われた。私も社長も、学校の下駄箱だったり、待ちゆく人々だったり、組織をイメージさせるような写真をいくつか構えていた。島村氏の意見はバッグはできる限りシンプルな方がフィギュアが引き立つというものだった。社長と私は、ここはプロの任せようということでバックは島村氏に一任することになった。

数日後に表紙の案ができたということで私は出版社に出向いた。

12パターンほどの表紙が構えられていた。バッグは無地。黄色、紫、ショッキングピンク。帯には「発達障害の青年と、破天荒薬剤師の記録」

裏表紙には「そんなにボクが悪いのか」と書いてあった。裏に関しては事前に話し合われたものだが、「破天荒薬剤師の記録」は島村氏のオリジナルだ。氏に“本では臼井さん本来の破天荒さがあまり現れていませんが”と言われたが読者からは、“十分破天荒でしょ         ”と言われたので、お会いしたことのない読者の方が私に会えば少し驚かれるかもしれない。事実は小説より奇なり。

ファーストインスピレーションですぐに6パターンに選別した。社長は「いい感じの早さです☝」といつもの軽い調子で喋っていた。

この日は6パターンを自宅に持ち帰り一晩寝かせることとした。

 

決断

本の顔。読者が一番先に目にする表紙カバー。インパクトがあり本の内容を最大限に表現したものにしたい。バッグの色は黄色、文字はピンクに決定した。おどろおどろしいしいフィギュアにポップな背景。アスペルガーの“ぺ”の文字の半濁点の中がハート型にくりぬかれているのは島村氏のセンスであり作品をよく理解してくださってるという証でもある。本作品は単に発達障害についての本ではなく人の“こころ”についても記されたものである。この時点で、夏目漱石のファンでこの作品に興味を持たれた方がいたら、一応言っておく。

全然、違います。

Amazonのレビューでは「人間失格のハッピーエンド」と評された方はいた。

一言で言うと、そんな感じですが、一言では言えないのでやはり多くの方に読んでいただきたいと願っている。

 

本体表紙~アナログ出版物って奥深い~

こんな風に本は作られるのか。本体表紙の案ができた時に、小学生の頃のお仕事探検で得られた感動をもらった。新聞紙を広げたくらいの大判模造紙にギザギザハートの文字が印刷されていた。背景は、シルバーとゴールド。文字は白色だった。私に選択権があるとの事だったので、シルバーを選んだ。理由は、その方がコミックっぽいから。できるだけ、手に取りやすい雰囲気を出したかったのだ。出版後に、本体表紙はなかなか見られてないことに気付いた。カバーをめくってみてください、というと「うわぁ、かっこいいですね」と感激されること幾多。ふとした拍子にカバーがずれて本体表紙に気付いた時、何年も経って本棚で埃をかぶったこの本のカバーを外した時、こんな風にあらためて装丁の良さに人は気づいてくれるのかなと楽しみである。

見えないところに気を遣う。古くから日本では着物文化として根付いているものだが、それは一枚一枚脱がされたときに最終的にその人の核心部分に触れるまでの興きであると私は思う。とすれば、私たちは読者に一枚一枚脱がされているのか。今更ではあるが、恥ずかしい。

 

見返しと扉

表紙の裏に貼られている紙を“見返し”

見返しをめくって出てくる本のタイトルや著者名、出版社名が書かれたものを“扉”と呼ぶのだそうだ。

これに関しては私の選択権はなかった。仕上がったときにはじめて見てデザイナーのセンスの良さに脱帽した。見返しは色鉛筆のみどり色、扉は透かし模様の水玉が入っていて銀色でタイトル名が入っていた。扉はまるで大粒の雨がガラス窓を叩いているようだ。最終ページのフィギュアに後光がさしている写真(デハラユキノリ氏撮影)と見事に対比しているように思う。

 

挿絵

デハラユキノリ氏が事前にカバー案として送ってくださったフィギュア写真の数々を私はどれもとても気に入りこれらを挿絵として使ってもらうことにした。

鏡川で撮影されたそれは

空虚感を漂わせながら、堤防の縁を落ちるか落ちないかギリギリのところで佇んでている慎太。手にしているナイフは凶器だ。

草むらの中をまるでサバイバルしているかのように何かを探している慎太。手にしているナイフは武器だ。

河原で戦闘力を失ったように倒れている慎太。ナイフは使えない。

前を向き、後光がさしている慎太。ナイフは、写ってない。

たった一つのフィギュアが別アングルから撮ることでこのように多彩な表情をみせてくれること。本の内容をフィギュアが見事に再現していること。まったく、デハラユキノリは天才だ。

これに関しては『読みとスリルのサスペンス』の広井護先生が、“内容もさることながら、デハラのフィギュアが秀逸である”と評価されている。

 

名刺

いよいよ出版の日が近づいた。高知県内では12/18日、Amazonと全国書店での発売が12/25と決まった。それに先駆け一週間ほど前に本の名刺が出来上がった。小さな名刺に一杯夢が詰まっている気がした。私が、本を出すのだ。なんでこんなことになっているのだ?不思議だったが、あまり深くは考えなかった。とにかく、私は本を出すのだ!

 

発刊前日

ようやく刷り上がったという本を受け取りに行った。この日私に渡されたのは2冊。後日、茶色いクラフト紙に包まれた本を100冊受け取った。これは私が書店を通さず手売りする分で、事前に島村氏から「臼井さんなら100冊はいけるでしょ」と言われたからだ。これに関しては印税は100%自分のものになるのだが、売れ残ると在庫を抱えるので賭けである。

また、いくら売っても書店やAmazonでのランキングに反映されないのも少し痛い。社長も「いけるでしょ」とまたもや軽く言っていたが、実際に手売りは瞬く間に売れ追加を依頼したので合計200冊になった。仕掛け人は私の母だった。田舎では出版などというと珍しい話なのでご近所や友人知人に触れ回って売ったのだ。意外なことに思ってもみない方が買ってくれた。地元の市長と教育長だ。私は表敬訪問に市役所を訪れ、地元での講演の話もいただき(コロナ禍により実現してないのだが)市長室で記念撮影したのが地元広報誌にも掲載され、一応は故郷に錦を飾ったのだ。

 

完成品

最初に渡された二冊はギザギザハートのアスペルガーの文字が名刺に刷り上げられたショッキングピンクの色とはまるで違っていた。

「この色味を出すのに苦労しました。3回上塗りをしてようやく出せました。」

安堵と達成感をにじませ、クールな島村氏が興奮冷めやらぬ泣きそうな笑顔でそう言った。

「本当に大変だったみたいですよ、この色を出すのは」と、社長もその貴重さを讃えていた。

それは子供の頃に父に買ってもらった、おもちゃの宝石のネックレスのピンク色だった。

世の中的には全く価値のない、私の宝物だったネックレス。妹と取り合いをして、父が大岡裁判をして、一日おきに所有者が変わるネックレスの色。カバー背景のレモン色がこのピンクのガラクタ感を強調していて、クレイジーで最高に素敵やと思った。

試作段階で、カバーに関してごちゃごちゃいってた私に、「大丈夫ですよ、臼井さん。心配しなくても、ちゃんと変な表紙に仕上がりますので」と笑顔で返してくれた島村氏の言葉通り、ちゃんと変に仕上がっていた。

「カバー袖の私の写真写りがこのレモン色だと…良くない」といった私に

「そこはどうでも良いところです」とにべもなく言い放った社長にも感謝している。

その晩、私は島村氏にメッセージを送りギザギザハートのピンク色と亡き父とのエピソードを紹介した。そして、主人公の名前は私の父からとっていることを話した。私は妹との二人姉妹で、もうすぐ中原家は滅亡するのだということ。せめて主人公として名前を残すことで勘弁してもらおうと思ったこと。中原慎太は、私が生んだ息子なのだと言った。そして私はリアル中原慎太の母親だと思ってこれからも慎太を見守っていくのだと伝えた。島村氏は、「そんな話、今日初めて聞きましたよ」と驚いていた。

これには後日談がある。慎太に「あたし、あんたのお母さんになっちゃうき。これからあたしをお母さんやと思いや」というと、あっさりと

「それはいいです」

と拒否された。

 

2020.12.18

ギザギザハートのアスペルガー発刊。私は最初にもらった2冊を出資してくださった方に「正真正銘の処女(作)です。思い切り汚してください」といって渡してきた。Amazonでの販売は12/25だったため、あらかじめ社長が宣伝をしていた方がクリスマスプレゼントにと5冊購入するつもりが間違えて2回クリックして10冊買ってしまったらしい。さすがに困ったこの方がFacebookに投稿したところ、すぐに過剰分は売り切れ、足りなくなってしまったので、さらに追加購入したというのだ。この方は福祉系の事務所を運営する下元さんという女性の方だ。彼女との出会いは出版後の運命を切り開いてくれた。彼女は様々な講演を私たちのために準備してくれたのだ。本を読んでくれた高知県教育長や政治家、専門学校の学長なども私たちのために講演などのチャンスをくれた。私たちはときおりやってくるそれらを懸命にこなしている。NHKの密着取材や高知新聞への度重なる掲載の影響もあって2021年上半期金高堂ベストセラーズ総合ランキング10位にランクインすることができた。発売してからもうすぐ1年。様々なことを思い出し、お世話になった方への感謝の気持ちで、このブログを閉じたい。

 

2021・12・15 臼井志乃

 

ギザギザハートのアスペルガー 
著 臼井志乃
並製本  四六判  162ページ
定価 1300円+税
ISBN978-4-86338-291-6

忘れていた子どもの頃の夢を遅まきながら追いかけてみようかなと思っている。

 

私は、兄と私の思い出をほぼ2週間で書き上げた。書くことは楽しく、沈んだ心がどんどん軽くなった。思いきって自費出版先を探した。

高知のリーブル出版は地方ながら素晴らしい本をたくさん出版している。会社のポリシーも素晴らしい。一か八か原稿を送ってみた。すぐに 「長崎弁の兄の言葉が懐かしく、登場人物が生き生きと描かれている。日々を丁寧に生きることの大切さを感じた」 と返事をくれた。多分、私は、これで一般配本での出版を決意したと思う

自分と身近な人だけに伝わると思っていたプライベートな思い出の本が、私たちを知らない人にも何かを与えられることに勇気をもらった。分からないことにもすぐに回答があり、8月の初盆までに出版するという特急並みの要求にも応えてくれた。表紙の私の描いた絵も予想以上のきれいな群青色で、読者の多くの方から飾りたくなるような素敵な本と言っていただいた。リーブルさんの印刷技術の賜物だ。

 

出版後、読んでくださった人からたくさんのメールや手紙が届いた。最も多いのは「内容がすーっと入って心の底まで届く。そばで話してくれているみたい。さらっと読めるがずっと心に残る。」などリーブルさんのアドバイスで時系列を整え構成が良くなったから分かり易いのだと思う。次に、「死別がテーマだが読み終わった後に爽やかさが残る。毎日の一瞬一瞬は素晴らしく愛おしいものだと気づいた。これからもっと家族を大切にできると思う。」など、読者の皆さんに希望を与えられたことが嬉しい。私と同じように癒やされ、前へ進めるようになった思いまでも共感してもらえたことは、作者として最高の喜びである。

 

リーブル出版書籍の中の一冊になり、フェイスブックや、ホームページに自分の本が紹介されているのを見たときは、嬉しくて、スクリーンショットをしてしまった。小学校の卒業文集に本を書く人になりたいと書いたことが思いがけず実現し、忘れていた子どもの頃の夢を遅まきながら追いかけてみようかなと思っている。あと一冊か二冊誰かにみおくられるまでに書けるかな。書き続けてみようと思う。

 

おみおくり Farewell
著 首藤順子
並製本  四六判  150ページ
定価 1300円+税
ISBN978-4-86338-310-4

デザイナーの傍士さんの優しい素敵な感性で涙が出ました。

3年前の春、突然交通事故で息子を亡くしました。
中学に入学したばかり。夢をいっぱい抱いて、これからという時でした。
毎日が苦しくて、色を失ってしまった中で、息子の残した作文や絵、写真をたくさん載せた「息子の本」をいつか作りたいというのが私の生きる希望になりました。
辛くてなかなか息子の思い出を見返すことが出来ず、また本作りは素人なので、まずは息子を亡くして書き始めた自分の詩を本にすることで信頼できる自費出版社を探そうと思いました。そこで見つけたのがリーブル出版さんでした。
メールを送るとすぐに返信してくださったこと、実際に社長の坂本さんにお会いしてお話ししたことで、リーブルさんでお願いしようとすぐに決めました。
表紙の絵をお願いした小笠原さん、坂本さんが私の拙い詩をしっかりと読んでくださって素敵な詩集に仕上げて下さったこと、とても感謝しています。
先日は、交通事故を少しでも減らしたいと願って息子の写真入りのポスターを作っていただきました。
デザイナーの傍士さんの優しい素敵な感性で息子が本当にそこで笑ってくれているようで涙が出ました。
リーブル出版さんにお願いしてよかったと思っています。
いつか、もう少し時間がたったら、必ずリーブル出版さんで「息子の本」を作っていただきたいと思います。
その時はどうぞよろしくお願いします。

『花を買う』

著 畠山理夏
並製本 四六判 70ページ
定価 1200円+税
ISBN978-4-86338-279-4

良い本を作ってくださり、ありがとうございました

出版するまでいろいろ細かいことにも悩みましたが、そのつど希望を聞いてくださりありがとうございました。

リーブル出版様を選んで本当に良かったです。

9月の台風で被災し希望を見失いかけたときには、救援物資を送ってくださいました。

「顔を見たこともない、まだ本も出していないのに、ここまでしてくださる会社はないよね」とヘルパーさんたちと話しました。

あのときの「がんばれ!」という励ましのメールは本当にうれしかったです。

あきらめなければ夢って叶うんだなと今回あらためて思いました。

その夢を一緒に叶えていただいたスタッフの皆様には感謝しかありません。本当にありがとうございました。

 

明日も生きる
著 本間 ちなみ
並製本 四六判 168ページ
定価 1,200円+税
ISBN978-4-86338-264-0

 

完成した本を手にした時、感動が溢れてきました。

『だからボクは歩き続ける』

詞人くまさん

完成した本を手にした時、感動が溢れてきました。
出版するなんて初めてで右も左も分かりませんでしたが、担当者の方がとても
丁寧に導いてくれたので、安心して進められました。
途中挫折しそうな時があり、原稿を書く手が止まった時期がありましたが、
決して焦せらせることなく、こちらの心情を汲み取ってくださり、
待っていただいた ことも感謝しております。
部署ごとに業務内容が違うようですが、しっかりと連携されていて、
最後までス ムーズに進められたと思います。
完成された本が届いた時には、改めて感動が溢れました。
完成を待ってくれていた周りの人たちも、想像以上に良い出来だね!
と言ってく れました。
本当に本当にありがとうございました。
また機会がありましたら、お願いしたいと思います。

心からのありがとうを、真っ赤なリボンで結んでお贈りしたいです。

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こころの中のマグカップ三品麻衣(埼玉県)

私とリーブル出版さんの出逢いは、インターネットでリーブルさんのホームページを見たことから始まりました。当時、私は埼玉県の「障害者人材育成資金」という助成制度に応募して、本を出版したいと思っていたところで、もし、その助成制度の対象者に選ばれた時にどの出版社に依頼しようかと迷っていたのです。そんな時に、パソコンの検索結果のひとつにリーブルさんのホームページがありました。よく見てみたら、高知県にある出版社ということで、少しがっくりしました。というのは、実際に会ったり顔を合わせたりしないと、出版は難しいのでは?と勝手な思い込みがあったからです。けれども、ホームページに載っているみなさんの笑顔がとても明るく、なんだか信頼できそうだな、と思い、連絡だけでもしてみようとメールをしました。

当時の私は、出版に関して何もわからず、どこをどういうふうに質問すべきかもわかりませんでした。だから、私のメールの最初の一通はたった一言だけ「資料を請求します」とかそんな感じだったと思います。しかし、担当になってくださった坂本さんは、丁寧にどんな資料が必要なのか、どんなことが知りたいのか、具体的に聞いてくださって、どんな質問に対してもいつもとてもわかりやすくメールで答えてくださいました。そして、助成金がおりない場合は、出版ができないことも快く了解してくださって、その結果が出るまで待っていてくださいました。なかなか結果が出ずに、私自身も焦りがありましたが、合格がわかったその時に、坂本さんがともに喜んでくださったあのメールは、プリントアウトして保存してあるくらいです。

出版が無事に決まり、ことがトントンと進んでいくかと思ったら、私の方でページ数の計算を間違えていて、リーブルさんの方で計算し直していただく、ということもありました。そんな時でも、リーブルさんは嫌な顔一つせずに、懸命に取り組んでくださいました。本当に大変な作業だったと思うのですが、とても感謝しています。また、初めての校正の時に、描きおろしてくださった表紙のイラストが素敵過ぎて、思わず「わあ、すごい!!」と声に出してしまいました。「なになに?」と家族が集まってきて、その表紙を見せたところ、「すごい! 麻衣(私)の雰囲気にぴったりだ」と絶賛でした。それと同じ感想は、多くの方からいただきました。「本当に出版社の方と会ったりしていないの?」と何度もびっくりされました。「会わなくても麻衣さんの雰囲気を文章から見抜けるなんて、本当にすごいね!」と、多くの方から褒めていただき、とても嬉しかったです。実際に会うことがなくても、きちんと私の心や気持ちを汲み取り、しっかりと本作りに反映してくださったこと、とても感謝しています。そして、私の文章からその雰囲気を絵にしてくださった傍士さん、本当にありがとうございます。

その後も、私の質問に対して、いつも丁寧でわかりやすい、しかも心のこもったメールを迅速に返してくださっていました。そして、実際に印刷・製本されて我が家に届いた本たちを見た時は大感動で、大袈裟ですが「生きていて良かった」と思いました。

実は、かつての私は、死を望むほど苦しんだ時期がありました。生きることに希望を持てない日々が何年も続きました。しかし、私はなんとか死なずに済んだことを、今、心から感謝しています。なぜなら、本を出版したことで、同じように悩む人々の力となれたからです。私は自分の文章にいつも自信が持てずに「これでいいのかな?」「こんな文章に価値があるのか?」と不安に思ってばかりでした。だけども、そんな私が出版ということをとおして、多くの人から「元気が出たよ」「癒されました」「勇気をありがとう」という言葉をいただきました。それは、直接知っている人だけではなく、見たことも会ったこともないような人からもいただいた言葉でもあります。それは、私にとって大きな財産であり、これからの執筆活動のエネルギーのもとになるものでした。

リーブル出版のみなさんとチームワークで作った「こころの中のマグカップ」の出版は、私の人生に多大な幸せをもたらしてくれました。心からのありがとうを、真っ赤なリボンで結んでお贈りしたいと思います。本当に素晴らしい本ができました。ありがとうございます!! 私のつたない文章では、リーブルさんの魅力を十分に表し切れないのが残念ですが、心の底から感謝しています。

本作りとはこういうものだと教えていただきました。

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江戸川の流れに』保坂 陽一郎(千葉県在住)

この度『江戸川の流れに』受け取りました。しっかりした装丁、それに度重なる丁寧な校正など、私の身に余る本が出来上がりました。ありがとうございます。私が考えていたのはもっと簡単なものでしたが、本当に読みやすくハンディな本になりました。

本作りとはこういうものだと教えていただきました。

 

私たちの感動は大切な人生の宝物になりました。

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日々をつむぐ』鈴木 啓世・三好真理(香川県在住)

本が届いてから、一緒に本作りをしたゴドレールさんと佐々木さんと3人で完成の喜びを分かち合いました。
それは、兄を含めて私たちの気持ちが「かたち」になった喜びでした。それを実現してくださったリーブル出版さんには
心から感謝しています。
リーブルさんに印刷をお願いしようと思ったのは、ネットで検索させてもらった時の社内のアットホームな印象や、スタッフの方々のお顔が見られたのも、見積もり以外の大きな理由でした。
初めてのことなので、正直なところ不安はありました。でも、お願いしてからの連絡の速さや、細やかな対応に安心し、わからないことも遠慮なく相談できました。
こちらが、迷った時もその対応に「一緒に考えてくれている」と感じながら進めていけたことは有り難かったです。
良質なものをとても安価に、しかも速く仕上げてくださったのにも驚きました。
今回の私たちの感動は大切な人生の宝物になりました。ほんとうにありがとうございました。

今後も皆さんのお仕事がたくさんの感動につながりますよう念じております。

 

本にはしっかりとぬくもりがある。

路上から世界へ

 

路上から世界へ』伊藤 潤一(三重県在住)

まずは一言、感謝申し上げます。ありがとうございました。
この度、リーブル出版様で本を出させていただき、感じたことがあって、
本にはしっかりとぬくもりがあるということです。構想を練り始めて2年。
実際に書き始めて、本ができあがるまでの半年間で、ずいぶんと
温度を失っているような気がしていました。
でも、実際に本ができあがり、その本が誰かの手に渡り、読んでくださった
一人一人のストーリーが重なることで温度をしっかりと取り戻しました。
それは、「よかったよ」、「感動した」なんかの多くの感想やコメントが
僕の心を温めてくれたことでもありました。
出版前にはいろいろな迷いや葛藤はあったけれど、リーブル出版と
共に本をつくることができて、本当に良かったなって思っています。
リーブル出版様はじめ、本当に多くの皆様のおかげで
一冊の自信がこの世に誕生しました。
ありがとうございました。
「路上から世界へ」共々、これからも末永くよろしくお願いいたします。

 

人生の晩年にこんな経験ができるなんて何て幸せ。

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この度は『わが家の健やか日記』をすてきに仕上げていただき、ありがとうございました。
読みづらい手書き原稿をきれいに活字にしていただき、写真もカラーと本文に適切に入れて読み易く楽しい本になりました。
表紙やカバーも孫達の作品を上手に装幀していただき孫達も大喜びです。
社長さんには最初から細かい事までお願いし、お聞き入れいただきまして感謝致しております。
人生の晩年にこんな経験ができるなんて何て幸せなことでしょう。わが家にとっては宝物が一つ増えました。幼い孫達が将来どんな気持ちで読んでくれるだろうと思うとワクワクします。
書くことは続けたいと思っています。少しずつ進化できたらと願っています。
息子がリーブル出版への問い合わせをしてくれたご縁で一冊目が完成しました。このご縁をありがたく思っております。

『わが家の健やか日記』 篠原良子さん(愛知県在住)