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出版STORY『学校の記憶と再生 かつて高知県には709の小中学校があった』

学校の記憶と再生
かつて高知県には709の小中学校があった
発行:高知ミモザの会
価格:(本体会952+税)

●ジャンル:郷土史
●サイズ:B5
●ページ数:238P
●制作期間:6カ月

 

[こだわりポイント]ダイジェスト


膨大な取材料の原稿と写真……
くる日もくる日も整理の日々でした。

高知県から消えた小中学校の歴史を後世に残したいと、3年をかけて寄稿文や写真などで記録した価値ある一冊。
13名の高知ミモザの会の編集員がそれぞれ原稿を持ち寄り、できあがった本書。
手書きの原稿もあり、写真もたくさんありますが、数十年前のモノクロ写真をスキャニングする作業も色をできるだけ美しく再現できるように気を配りました。また紛失に気をつけて、原稿とすりあわせながらの作業で、神経を使い苦労しましたが、高知の郷土資料として貴重なものになりました。


もくじ


原稿と入れ違わないように慎重にスキャニング。
それぞれ違う状態の写真を1点ずつ画像処理

3年かけて取材されただけあって、編集作業も難航しましたが、データ処理も苦労しました。
数があり半世紀前の写真を一点ずつスキャニングするのです。汚れがあったり、色が日焼けして飛んでしまっている写真。コントラストの弱い写真と、一点一点状態が異なります。一気に撮って一括で画像処理することができなかったので、パソコンを使いながらも手と目を使っての作業となりました。
しかし、これだけの資料を記録として残すお手伝いをさせていただけて光栄でした。

 


画像処理前

画像処理後

取材されたひとつひとつの学校にある
ドラマをどう見せるかが課題となった本文レイアウト

学校ごとにそれぞれの思い出話があり、しかも取材をしたのが複数人で、原稿量も写真点数もまちまちでした。イラストがあるページ、コラムがあるページなどそれぞれページごとにレイアウトを変えて構成していかなければならなかったので編集作業はとても大変でした。
しかし、取材がとても丁寧にされているので、読んでいてとても愉しく、制作の苦労もいい思い出となっています。
また、廃校になった学校の記録だけではなく、廃校後地域で新しい拠点として生まれ変わった学校が地域を再生に導いている現在の様子をまとめた部もあり、過去から未来へ希望をつなぐ架け橋として、学校が存在していることも記されています。
それぞれの章・部にあわせて読みやすく、変化を持たせながらレイアウトしてあります。


第一部

第二部

第三部

人にはみんな子どもの時代がある。
学校が全てのような気持ちさえ抱いてその時代を生きている。

複数人の意見や寄稿をまとめて本にしていく作業は、どうしても進行が遅れてしまい、他の出版物と比べると大変時間がかかります。
本書も編集作業に大変苦労しましたがこうやって本になり、高知ミモザの会の方々にも喜んでいただき、喜びもひとしおです。
高知県の新たな郷土史にもなったと思います。本書が誰の中にもあるふるさと、地域を思う気持ちにつながりますように。

2013年1月21日 高知新聞掲載

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